100年後と1000年後の未来

 フリーマン・ダイソン(1923〜アメリカの理論物理学及び宇宙物理学者)の“科学の未来”を参考にして、100年後と1000年後の未来を想像してみた。私には、人類は今や進化するか自滅するかの岐路に立っているようにも思える。

 1000年前の人類には今を想像できなかったが、それよりも進化した私たちは100年後と1000年後についてある程度想像することができる。今後の100年は、遺伝子工学人工知能の時代。ヒトゲノム解読による生物進化の解明と応用、遺伝子治療によるガンやアルツハイマーなど病気予防、老化防止、環境や病気耐性のある食物や動物の創造、遺伝子欠陥のない赤ちゃんなどがそうだ。そして知能ロボット、宇宙旅行、惑星移住基地の建設も実現しているだろう。

 最新の宇宙論によれば、宇宙の年齢は137億年、誕生から46億年経っている私たちの地球は、あと50億年もすれば燃え尽きた太陽に呑み込まれてしまうと予測されている。その前に私たちの住む天の川銀河と隣のアンドロメダ銀河は、20億年後に一大接近してすれ違うことも予測されている。

 6500万年前に恐竜が絶滅したのは、直径10kmほどの天体がメキシコに衝突したからとされている。地球生物がその危機から逃れるには、衝突までの時間を予測する早期警報システムと何らかの衝突回避技術が不可欠だ。それには軌道を回るCCDデジタル機能搭載の広視野望遠鏡による天体観測、衝突回避には宇宙に打ち上げる質量推進機の開発が有効なのだそうだ。それも数十年以内には実現可能とされるから、確率的には間に合いそうだ。

 自滅するという学者の根拠は、「知的生命体の社会は、ある段階で不安定になり自滅する」というものだそうだ。それが現実的に思えるのは、核兵器保有国の存在、人類責任による天候異変、原子力災害、民族対立・領土問題等による戦争がある。それは第二次世界大戦の産物とも言える五大国による拒否権の存在、国際司法裁判所が紛争解決に機能していない、国際的金融機関や多国籍企業による無秩序な投機資本主義、人間社会を蝕む市場原理や競争最優先社会になっていることも加速させている理由だ。

 フリーマン・ダイソンによれば、1000年後、人口知能と遺伝子工学によって進化した人類は宇宙各域に居を広げ、100万年単位で進化して来た今の私たち人類と種を分かち始めているとのこと。もしかしたら無線テレパシーで会話し、現在の体の形態も違い始めているかもしれない。人類が破滅の道を進むのか、それとも進化した知的生命体として別の宇宙で繁栄できるのか。このまま推移すれば、人類は100年ほどの間に自滅してしまう可能性もある。それともフリーマン・ダイソンにも考えの及ばなかった人格と霊性を進化させて、共存共栄の道を歩むことができているだろうか?